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反町の想い出

働きながら専門学校に通っていた頃

どんなに疲れていても帰る場所は反町のアパートだった。


まだ地下鉄になる前の東急東横線、先頭車両に乗り込んで右か左か忘れてしまったけど、どちらかに曲がる急カーブ、後方車両が曲がりながら付いてくる。

私は線路の先を見ながらもうすぐ着く、もうすぐだ!焦る気持ちで見つめていた。

陽が落ち始め空が薄いピンク色になってくる。


駅に着いて小走りで階段を降りる。

私は薄い黄色にチューリップの花柄のワンピース。

すると公衆電話の横に立ち、必ず迎えてくれた人。

笑顔の優しい人だった。

二人で行った銭湯もまるであの歌みたいだね、って通ってたな。


なんだろ、急にこんなに鮮明に思い出すなんて。


地下鉄じゃなかったあの頃、車窓から見えたビルやマンション、側を通り過ぎる民家。

地上を走る電車の風景、それを思い出すと切なくなる人も多いと思う。

街はどんどん変わっていく、人も変化していくけど、、

私はだいぶ変わったし。


だから変わらない何かを求めてしまうのかな。

「変わらずにそこにある」これは気持ちの問題じゃなくて、目に見える実像の事。

それは人の心に大きな安心感を与える。


失ってしまう喪失感は辛い。

そしてその時、人は人に戻っていく、誰かの元に帰っていく、少しでも寂しさを分かち合える人の所へ。



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